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主題歌にみる昭和から平成の特撮ヒーローの変化

昭和から平成の特撮ヒーロー主題歌の変化を分析する - テキストマイニング

ちょっと前になりますが、映画「シン・ゴジラ」を観ました。ゴジラは作品によって異なる顔を持っています。制作時期によっては子どもを持つ母親だったり、悪い怪獣と戦う正義の味方だったり、シェーをするユーモラスな一面を見せたりもしていましたが、今回のゴジラは何の意図も目的もなく、生物としての習性に従って行動し、東京を破壊しました。昭和29年の第一作目に近く原点への回帰を感じました。
仮面ライダー、ウルトラマンなどに代表される特撮ヒーローも時代によって変化しているように感じます。実際、どう変化しているかを明らかにするため、昭和から平成までのテレビの特撮ヒーローの主題歌を分析してみました。
定型化されていない文章データを単語やフレーズに分割し、統計的に解析することで隠れた情報を発見するテキストマイニングという手法があります。この手法で昭和33年(1958)から平成24年(2012)までに放送開始となった特撮ヒーローのオープニングソング137曲を分析しました。

まず、どのような文が含まれているのか - 共起ネットワーク分析


「空」が使われている曲には高い確率で「飛ぶ」が含まれているといった、似かよった出現パターンを見せる語を線で結びました。特定の語がどのような語とセットで使われているか、あるいは全体としてどのような文脈が含まれているかを概観できます。(できましたか?)

使われている言葉を年代別に集計 - クロス集計

年代別に出現数の多い語を放送開始年代別にクロス集計してみました。歌詞に使われている語は、そのヒーローが登場した年代によってかなり異なっています。

年代別の特徴を図示する - コレスポンデンス分析


右の図は、上の年代別出現語彙のクロス集計表の傾向を図で表現したものです。似たような出現傾向の語が原点から見て同一方向に付置されます。また、偏りの大きい語(特定の年代にしか出現しないなど)は原点から遠くに付置されます。この図から、年代別の出現語彙の特徴(クロス集計結果)を視覚的に把握することができます。時間は右上→中央下→左上に流れています。各年代の近くにある語はその年代に特徴的なもの、真ん中にあるものは年代を超えてまんべんなく使われているものです。

1960年代以前(右上)は、「敵」「倒す」「轟く」「海」「正義」などが特徴的です。絶対的な正義に裏付けられ、圧倒的な強さで敵を倒して、「僕ら」を守ってくれる父性的なヒーローが多かったようです(その時代にあって正義の相対性を扱ったウルトラセブンは稀有な存在かもしれません)。
1980年代(中央下)は「愛」「戦士」「俺・俺たち」「命」「叫ぶ」「涙」「悲しみ」など、熱い涙と汗がほとばしる等身大の熱血ヒーロー像が浮かびます。
2000年以降(左上)は「自分」「運命」「信じる」「始まる」「道」「願い・願う」「あきらめる」など、「自分が信じた道をあきらめるな」と励ます保護者や教師のように、誰かの自己実現を俯瞰するような目線を感じます。
このように、特撮ヒーローの主題歌、つまりは特撮ヒーロー番組と子どもたちとの関係が時代とともに変化しているということがうかがえました。

分析対象一覧

1958年から2013年までのテレビ特撮ヒーローの主題歌を対象としました。ウルトラマンシリーズ20曲、仮面ライダー23曲、スーパー戦隊37曲、東映メタルヒーロー15曲、その他42曲です。テレビ特撮ヒーローに限定したため、ポワトリンやシュシュトリアンなど不思議コメディシリーズやアニメーションは含んでいません。

感想

筆者自身はいわゆるアラフィフです。1960~70年代に幼少期、80年代にティーンエイジャーとして過ごし、2000年代には子育てをしてきました。特撮ヒーローの変化も、ちょうど自分が年齢を重ねるのと歩調を合わせてくれているような気がします。そういえば、いまのCM、ドラマ、ギャグ等々には我々の世代をターゲットにしたネタが陰日向に満載されています。社会が自分たちの世代をかまってくれているありがたさを感じながら、若い世代がシラけてしまうことが心配になってきました。

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